勉強でもスポーツでも、何かを成し遂げるためには、明確な目標設定が必要です。さなるの塾生でも、早くから志望校が決まっている子は、成績が伸びていく傾向にあります。日々の学習で「目標を持つ」ことの意義や効果について考えてみます。
目標の立て方は?
目標は、できるだけ遠い未来に置くのが望ましいと考えられています。将来やりたいことや就きたい職業など、まずは「長期的目標」を定めると、それを達成するために「中期的目標」「短期的目標」が決まってきます。「将来〇〇になりたいから、この大学に行く。そのためには、この高校に進学しなければ」というように、大きなビジョンから逆算して具体的な目標を設定していくかたちです。そうすることで、目の前の定期テストや入試など、一つひとつに全力を尽くせるようになり、目標に向かって少しずつ成長しているという実感を得やすくなるでしょう。
『意識』が変わる
目標を持つと、自分自身の『意識』が変わります。志望校=行きたい高校が定まれば、「合格するために、何が足りないのか?」を真剣に考えるようになるでしょう。例えば、志望校の合格ラインが偏差値「58」、現在の自分の学力は偏差値「52」。そこには現実として「6」という学力ギャップが存在します。その差を埋めるために、「自分は何をすればよいのか?」を考え始めます。最初の一歩である“やる気”の差は、目標の有無が大きく関係していると言えます。
『行動』が変わる
さらには、『行動』が変わります。到達点を見据えることで、「どう努力したらよいか」「いつまでに何をしたらよいか」という方向性が見えてくるからです。定期テストを例に挙げると、成績上位の生徒たちは必ずと言っていいほど「学年○○位をとる!」という明確な目標を持っています。その上で、「テスト対策を今までより早く始める」「勉強のやり方を変えてみる」「問題集の使い方を工夫する」など、具体的なアクションを起こすことで、成果に結びつけています。
達成した喜びを味わえる
さらに、目標を持つことの最大のメリットは、『達成した喜び』を味わえることです。夢や目標を達成するまでの道のりは、それが大きければ大きいほど、多くの苦難を伴います。毎年、高校入試の合格発表の掲示板の前で、感涙にむせぶ多くの受験生たちを見てきました。歓喜の瞬間を手にすることができるのは、自分の意志を強く持ち、目標達成に向けてたゆまぬ努力を続け、最後まであきらめずに闘い抜いた者だけなのです。
目標が決まらない場合は?
では、「目標がなかなか決まらなくて…」という人はどうしたらよいのでしょうか?保護者や先生などのアドバイスによって決めるのも手ですが、目標というものは概して人から与えられるものではありません。「いますぐ志望校を決めなさい」「なるべく大きな目標を持ちなさい」などと言っても、戸惑ってしまうでしょう。その場合、まずは目の前にある課題やテストなどの一回一回に全力を尽くしてみてください。結果に手応えを感じるようになれば、「もっと努力してみよう」という気持ちが高まり、少しずつ具体的な目標が定まってくるはずです。
まとめ
「目標」は、努力する気持ちを高め、行動を変え、達成する喜びをもたらしてくれます。子どもたちはできるだけ大きな目標を持ち、その実現のためにチャレンジしていってほしいと願います。
Adviser
山中祐介(佐鳴予備校教師)