子どもたちの「センス・オブ・ワンダー」を育む、花や緑。日常に取り入れ、豊かな感性を育てましょう。

子育て

※センス・オブ・ワンダー…神秘さや不思議さに目を見はる感性。

教えてくれたのは…
■愛知県庁 農業水産局/松田彩佳さん

長引くコロナ禍でも、子どもたちの自然体験を増やしてあげたい。そんなご家庭に今、「花育」が注目されているそうです。「花き生産日本一」を誇る愛知県庁の松田さんに、花とのお付き合いを通して子どもたちの感性を育む取り組みを伺いました。

Q:コロナ禍でなかなか遠出はできませんが、子どもたちの自然との触れ合いは大切にしたいと思っています。日常生活にどのように取り入れればいいでしょうか?
A:まずは切り花や観葉植物、鉢植えなど、気軽に触れられる植物から取り入れてはいかがでしょうか?

長引くコロナ禍で、ご自宅で植物に親しむ人が増えているそうです。特に、比較的お世話がしやすい観葉植物や鉢植えの売れ行きが好調ですね。お花のサブスク(※注)を活用して切り花を楽しんだり、お庭やベランダで、ガーデニングを楽しんだりする方も増えたそうです。愛知県は、全国の花き生産を支えるフロントランナーとして、長年、子どもたちに花や緑に触れて感謝の心・探求心や創造力を育む「花育」活動を実施していますが、やはり自然が大好きな子は、ご家族の影響も大きいと感じます。秋が深まる11月はお庭やベランダで、寒さに強いパンジーやビオラ、スイセンの球根を植えるのもいいですね。

Q:感染に気を付けながら、家の外の自然にも触れさせたいです。お勧めの施設やイベントはありますか?
A:近くの公園や街路樹、緑地等でも、充分“秋ならでは”の変化が楽しめると思います。愛知県内の方なら、屋外イベントもありますよ!

愛知県では、11月21日(日)に、「あいち花マルシェ2021」という屋外イベントが栄周辺で予定されています。親子でお花屋さんの花育教室に参加するのも良いと思いますし、開けた青空の下で咲き誇る花々を眺めるだけでも、幸せな気持ちになれますよ!⇒詳しくはこちら

Q:花や緑をお部屋に置くと、心や体に良い影響があるというお話を伺いました。具体的にどんな効果があるのでしょうか?
A:花と緑には、リラックス効果などさまざまな力が秘められていることが科学的にも証明されています。

  1. リラックス効果・イライラ緩和
    千葉大学の宮崎良文教授の研究によれば、花や緑が部屋にあることで、リラックス時に高まる副交感神経活動が29%促進、ストレス時に高まる交感神経活動が25%抑制されるそうです。特に、受験や部活動の大会などが近づいて家庭内がピリピリしがちな時、そっと花や緑を置いてみるのもいいですね。
  2. 調整効果
    植物は、人の状態に応じて体を調整してくれます。例えば森林セラピーでは、血圧が高い人は下がり、低い人は上がります。バラを見たり、香りを嗅いだりするだけでも、同じような調整作用が働くそうですよ。
  3. 仕事、学習の能率UP
    仕事場に緑を置くことで、仕事の能率が上がることが証明されています。脳の働きも活発になるそうですので、仕事場やお子さんの勉強部屋に管理のしやすい観葉植物などを置くと、植物の効果で頑張れるかもしれませんね。

Q:子どもがレストランで、ケーキに食べられるお花が乗っている!と驚いていました。ゼリー寄せやサラダにもよさそうですし、これから年末にかけて活躍しそうですね。
A:「エディブルフラワー(食用花)」は今、見た目の華やかさはもちろん、その栄養価にも注目が集まっています。是非、ご家庭でも使ってみてくださいね。

昔から食用菊や桜の塩漬けなどは有名でしたが、今はパンジーやチューリップ、バラやビオラなど、多種多様な“お花を食べる文化”が広まってきましたね。エディブルフラワー(食用花)の生産量圧倒的ナンバーワンは、愛知県の豊橋市。農薬の使用を抑え、食の安全に最大限配慮して育てられた花たちは、見た目の美しさはもちろん、その栄養価にも注目が集まっています。食物繊維や各種ビタミンが豊富な花、抗酸化作用が強い花などそれぞれ特徴がありますが、ババロアやサラダ、手毬寿司の飾りなどで食卓を華やかにしてくれるため、パーティーの主役にもぴったりです。

家の周囲に自然が少なくなった今日、手軽に生き物の気配に触れさせてくれる花や緑の存在は、お子さんの五感を刺激する上で大切なアイテムの一つです。上手に取り入れて、お子さんにとってより良い感性を育むきっかけにしていってほしいですね。

(※注:サブスクは「サブスクリプション」の略。一定期間、定額で自宅にお花を届けてくれたり、お店でスタッフおススメのセットを購入できたりするシステム)

イベント情報

あいち花マルシェ2021~ようこそ花の世界へFlower Wonderland~
【公式ホームページ】http://aichi-hanamarche.com/
【日時】2021年11月20日(土)~23日(火・祝)午前10時~午後5時
【場所】名古屋市・栄エリア一帯

PROFILE
松田彩佳さん(愛知県庁 農業水産局)
「花き生産58年連続日本一」を誇る愛知県農業水産局農政部園芸農産課所属。花や緑に親しみ育てる機会を通じて、子どもたちの心を育む「花育(はないく)」活動を推進。“花の王国あいち”のPR活動を担当している。

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