定期テストと模試の違いは?
「定期テストでは良い点数がとれるのに、模試になるとダメダメ…」。そのような悩みを、よく耳にします。原因の一つに、定期テストと模試の違いをしっかり理解できていないことが挙げられます。
模試(模擬試験)は、定期テストとは違って、以下のような特徴があります。
(1)出題範囲が広い
定期テストの場合、その学期に習った単元の出題が中心になるため、範囲がある程度限られています。学習した内容も比較的記憶に新しく、勉強量があまり多くなくても得点することができます。一方、模試の場合は「今までに習った内容」が出題されることが多く、範囲は一気に広くなります。(ヤマをかけて)少しばかり勉強しても、その箇所が模試に出題されないケースもあるため、付け焼刃の勉強では好成績をおさめることはできません。
(2)初めて見る問題が出題される
定期テストの目的は、「単元別の理解度の確認」にあります。学校のワークや問題集の類似問題が多く出題され、英語や国語の長文問題などもすでに何回も読み込んでいるものが多く、事前に練習をしておけば解ける問題がほとんどです。一方、模試の場合は、「初めて見る問題」が多く出題されるのが特徴。長文問題も、初めて目にする内容を限られた時間内に正しく読解し、その上で問題に答えなければなりません。定期テストに比べて難度はぐっと上がります。
これらの違いから、普段から「定期テストだけ」を意識した勉強に終始していると、模試には太刀打ちできないことがわかります。日頃の勉強において意識を変えることはもちろん、勉強法そのものを見直す必要があります。
実力が身につく勉強法とは?
ではどのような勉強法が、模試の対策につながるのでしょうか?
反復学習を取り入れる
「一生懸命覚えたはずの英単語や用語が、1日経つと半分くらい忘れてしまう」「定期テストで完璧にしたはずの歴史が、1週間後にはさっぱり忘れている」…などという経験はありませんか?人間である以上、「忘れること」は仕方がありませんが、模試で通用するような実力を身につけるためには、「忘れにくくする」努力をすることが大切です。
「何度も観るテレビCMをいつの間にか覚えていた」など、繰り返し見聞きしたものは自然と覚えているものです。それと同じで、一度学習した内容は、反復することで定着度を高めることができます。春休みや夏休みなど、学校の授業が止まっている期間には、過去の定期テストで覚えた内容を再び勉強してみましょう。一度覚えた内容なら、あまり時間をかけずにマスターすることができるはずです。
アウトプットを意識する
インプットした知識を模試で活用できるようにするには、アウトプットを意識した勉強が必要です。新しい内容を学んだら、問題を解く=アウトプットする練習を繰り返すことで、「きちんと覚えられた」「自分の力で解けた」という実感が持てるようになり、それが定着力の向上につながります。
問題を解く以外にも、「答えを隠して確認する」「音読する」なども、有効なアウトプットの方法です。また、友人同士で問題を出し合う・教え合うのも効果があります。学習内容の確実な定着があってこそ、実践力や応用力が鍛えられます。ぜひ試してみましょう。
「考える」学習へ切り替える
定期テスト対策では、どのような勉強をしているでしょうか?問題の解き方を覚えようとしたり、模範解答をそのまま丸暗記したりなど、「覚える」学習が中心になっていませんか?
そのようなタイプの人は、「考える」学習に切り替えましょう。「なぜこのように解答を導くのか?」「なぜ記述ではこのように解答するのか?」など、根本から理解して考える学習を意識すると、理解が深まり、解答力が身につきます。模試で応用問題や初めて見る問題が出題されても、「この手順で答えが導けそうだな」と対応できるようになります。
まとめ
Q.定期テストでは良い点がとれるのに、模試では結果が出ません。なぜでしょうか?
A.日頃の勉強法を見直し、定着度を高めて、実践力・応用力を養いましょう。
★反復学習によって、知識をしっかり身につけよう。
★アウトプット学習を意識して、学習内容を確実に定着させよう。
★「覚える」学習から「考える」学習に切り替えよう。