2022年11月末、愛知県「公立中高一貫校」開設に関して様々な情報が追加公開されました。内容としては、第一次・第二次の導入校と教育内容、教員配置、入学生徒の選考方法、併設中学校の通学区域等の基本的な考え方などで、一連の情報を「導入方針」として取りまとめた資料が愛知県の公式WEBページに公開されています。これらが、12月末までの県民意見提出制度(パブリック・コメント制度)を経て、2023年1月、正式に導入方針として策定されました。
【外部リンク】「愛知県 中高一貫教育導入方針」を策定しました
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2026年、新たに6校の公立中高一貫校が開校決定!
尾張地区が中心だった「公立中高一貫校」に、いよいよ三河地区も加わりましたね!地域の子どもたちの憧れの高校が、新しいチャレンジをして下さるのが嬉しいです。どんな学校になるのでしょうか?
「第二次導入校」は、まず三河地区から難関校の「豊田西高校」「時習館高校(豊橋市)」「西尾高校」の3校が挙がりました。
「豊田西高校」と「時習館高校」はSSH、「時習館高校」と「西尾高校」は国際バカロレア(IB)の導入を目指すグローバル志向の学校となることが発表されています。
「豊田西高校」と「時習館高校」はSSH(後述)の指定校です。
第一次導入校である明和高校などと同様、中高の6年間を通して、じっくりと文理融合的・探究的な学びを深めていきたいお子さんにおすすめの学校となりそうです。
また、「時習館高校」はSSHであると同時に、国際バカロレア(IB)の導入も目指すとのことで注目が集まっています。
「西尾高校」は現在取り組んでいる国際交流や、地元研究である「西尾学」をベースに、中学校段階からグローカル(グローバル+ローカルを併せた造語)な探究学習に取り組むそうです。国際バカロレアの導入も目指すとのことでした。
さらに、新たに「地域の教育ニーズ」対応型の高校として、尾張地区からは日進高校(不登校経験のある生徒のための学校)・愛知総合工科高等学校(AIやデータサイエンスに興味・関心を持つ生徒のための学校)の2校の開校が決定しています。もう一校は現在、西三河で検討中とのこと。ここにも、新たな学びの可能性が広がり、地元の期待も高まりそうです。
「第二次導入校」の主な特徴とは?どんな6年間になる?
ここで、SSHとIBについて、改めて記載しておきます。
豊田西・時習館高校が指定されている、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)。これは、高校などで「先進的な科学技術、理数系教育を通して、生徒の科学的能力、技能、科学的思考力、判断力および表現力を培い、将来国際的に活躍できる科学技術人材などの育成を図る」(※文部科学省WEBより抜粋)ことを目標に、それに向かってオリジナルのプログラムを用意している学校が指定されます。
SSH指定校の中学校段階では、理数系教育に限定せず、SSHの探究的な学びをベースに、教科横断的な文理融合の探究的な学びに取り組むことを目指すとしています。したがって、中学が設置された場合、例えば中学校段階からトップクラスの研究者や、全国の難関大や県内の有力大学などの教授が講演に来てくれるなど、普通の中学生ではなかなか体験できないようなサポートが受けられる可能性が考えられます。
さらに今回、時習館高校ではあいちグローバルハイスクール(AGH)として取り組んできた実績をベースに、中学校・高校への「国際バカロレア」(※注1)の導入も目指すことが発表されました。実現すれば、豊橋市で全国初の公立「イマージョン教育」(※注2)導入小学校である八町小学校から、同じく英語を強化できる公立中・高一貫校を受検し、そこから国公立大学へ進学する「公立校のみ」での進学ルートも新たに拓けることになります。地域の外国語教育環境にとって影響がありそうです。
西尾高校は、「あいちスーパーイングリッシュハブスクール」西三河地区の拠点校の一つです。継続的に国内外の学校・専門機関と連携し、講演会やオンラインでの国際交流など、積極的に学校外の様々な機関と協働学習できる機会が設けられています。将来的には国際バカロレアの導入も目指すそうです。
※注1) 世界150 以上の国・地域の5,000 校以上で実施されている特色のあるカリキュラム。課題論文や批判的思考の探究など特徴的な課題が多く、双方向・協働型の授業を主としている。高校レベルまで習得すると、国際的に通用する大学入学資格が得られる。
※注2) バイリンガル教育における形態のひとつで、学校で教えるそれぞれの教科を、母語である日本語ともう1つ別の言語で指導する指導形態。現在八町小学校では2020年度より、国語・道徳以外の教科は主に英語を使って学ぶ「イマージョン教育コース」が設置されている。
気になる今後のスケジュールは?
ますます楽しみになってきましたね!
まずは「第一次導入校」の開校が先になりますが、今後はどのようなスケジュールで進むのでしょうか?
「第一次導入校」である明和・半田・刈谷・津島の各校については、以下のスケジュールで情報公開されることが発表されています(※下記の表を参照)
既に選考方法の一つとして「適性検査」の実施が発表されていますが、スケジュールによれば、サンプルの公表は秋~冬の予定です。ただ、ここの準備が一番大変ですので、受検を希望するご家庭は、他県の情報なども参考に、少しずつ入試に向けて準備をスタートできると良いですね!