「短期目標」をクリアすることで
ある有名なマラソンランナーが、次のような話をしています。「ゴールまでは遠すぎる。だからとりあえず、『あと5キロ頑張ろう』『あと1キロ頑張ろう』『あの電柱まで頑張ろう』…と自分に言い聞かせて走っていました」。体力も気力も限界に達する、フルマラソンのレース。目標を身近なところに置き、それを一つひとつクリアしていくことで、最後まであきらめずに走り抜くことができたと言います。
勉強も同じで、高校入試や大学入試という大きな壁を突破するためには、時期を定めて目標を設定する必要があります。中学校で行われる『定期テスト』は、まさしくその「短期目標」。一回一回に真剣に向き合い、それぞれの目標に向かってベストを尽くすことが、入試を突破するための“学力の土台”を築くことにつながります。
だれもが高得点を目指せるテスト
そもそも、『定期テスト』には、どのような性質があるのでしょうか?
実施されるペースは、2~3ヶ月に1回、年間4~5回程度。出題範囲は直近の数ヶ月間で学習したものが中心となります。問題は主に中学校の先生が作成しますが、比較的オーソドックスで解きやすいものが多く、手の付けられないような難問や奇問はほとんど出題されません。どちらかと言えば、各教科の「単元テスト」の色合いが濃いのが特徴であり、事前にしっかり出題範囲を把握して計画的に勉強に取り組めば、だれもが高得点を目指せるテストだと言えます。
『定期テスト』を成功させるためのポイントは?
では実際に、さなる先輩たちは、どうやって『定期テスト』を成功させてきたのでしょうか?ここにいくつか紹介します。
テスト勉強を早めにスタートさせる
『定期テスト』は1日または2日ですべての教科の試験が行われるため(場合によっては実技教科も)、トータルにすると習得すべき内容は多くなります。出題範囲が発表されたら、すぐに学習スケジュールを立て、意識と生活リズムを切り替えて一気に“勉強モード”に突入することが大切です。テスト当日から逆算して、遅くとも2週間前から対策に取り掛かるのが理想的。最初はなかなか解けない問題が多いと思いますが、早めに弱点箇所を発見できれば、時間をかけて補強することができます。
さまざまなパターンの問題を解く
『定期テスト』は単元別のテストではありますが、すべてが基本問題だけで構成されているとは限りません。応用問題や発展問題が解けるかどうかが、全体の出来を大きく左右します。高得点や学年上位を狙うなら、教科書や学校のワークなど「誰もがやる教材」だけでは不十分。類題が豊富なテキストや問題集を使って、さまざまなパターンの問題を解き込むことで、幅広いレベルに通用する学力を身につけることができます。テスト本番で「この問題、見たことある!」となれば、間違いなく好結果が期待できるでしょう。
×だった問題(誤答)にこだわり抜く
出題範囲の問題を解いたら、必ずしっかり答え合わせを。×だった問題をしっかり分析して、「そうか、ここが弱いのか!」という発見ができれば、学力向上のスタートラインに立てたと言えます。原因が単なる勘違いや計算ミスなら、次から気を付ければ済むでしょう。ただし、解き直しても同じように間違えてしまう場合、根本的なところで大きな考え違いをしているか、大事な原理の理解不足があるはずです。これらのウィークポイントをしっかり克服してこそ、高得点は可能となります。×にこだわり抜くことが、成績を伸ばすためには最も効果的な方法であり、時間に余裕がないテスト前だからこそ実践してほしいと思います。
入試に向けた予行練習として
『定期テスト』は、勉強の進め方によっては「まだ間に合う」が十分に通用する試験です。ただし、一夜漬けでどうにかなるものではなく、スタートとゴールを決めて段取りよく勉強を進めることが、成功に向けての第一歩になります。ここで培った計画性や実行性は、やがて迎える受験勉強にも必ず生きくることでしょう。
そして、「短期目標」であるからこそ、目標は高く設定してほしいと思います。自分で決めた目標をクリアできたという経験が、大きな自信となります。さなるの先輩たちも、一回一回の『定期テスト』を攻略することで、成功体験を積み重ねてきました。
まずは、目の前のテストで最高の結果を!「狙うは学年○位だ」と熱く自分に言い聞かせて、全力を尽くしましょう。
Adviser
宮本 忠季(佐鳴予備校教師)