小学生から始める最強の家庭学習入門【作家/元灘中学校・高等学校英語教師 木村達哉】

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長引くコロナ禍や教育改革により、「家庭での学習」の重要度が増しています。どんな時代や状況下でも、自らの道を切り拓くために学び続けられる子を育てるにはどうしたらよいでしょうか。今回は英単語帳『ユメタン』シリーズや『灘校と西大和学園で教え子500人以上を東大合格させたキムタツの「東大に入る子」が実践する勉強の真実』など、多くの著書を手がけるカリスマ英語教師、キムタツ(木村達哉)先生にインタビューさせていただきました。

全ての学びの基本になる家庭環境を整え、
「読解力」の徹底強化を!

「勉強し続ける子」の家庭環境とは?

今回は東大に限らず、お子さんを「賢い子に育てたい」とお考えの親御さん向けにお話を、とのことですので、まず「家庭での環境づくり」に関してお話させていただきます。

大前提として、人間はもともと、「もっと知りたい、やってみたい、自分の力を伸ばしたい」と本能的に思っている生きものです。ただし、子どもたちは環境を選べませんから、いかに親が良い環境を上手に作れるかが大事ですよね。例えば、スマホやゲームが無制限にできるとか、本があまり自宅にないとか、あとは家に帰っても子どもが安心できないとか。そういう家庭は問題があるでしょう。これらについては至急、親が改善する必要があると思います。

しかし、本誌をお読みの保護者の方は、「それについては気を付けています」という方も多いと思います。そうした方は、より積極的に「学びの喜び」をお子さんと共に体感できる環境づくりを心掛けていただきたいと思います。特にお子さんが幼いうちは、一緒に本を読んだり、勉強する時間を作ってあげたりすると喜ぶでしょうね。子どもが思春期(小学校高学年から中学生くらい)を迎えても、親が家庭で本を読む姿を見せるとか、紙の本をリビングに置いておくのは非常に大事だと思います。英語の先生がなんでそんなことをわざわざ?と思われるかもしれませんが、理由は次で説明します。

「国語の文章を読めない子は、英語もできない」という現実

多くの言語学者の研究の結果、「外国語の能力は、母国語の能力を超えない」ということが証明されています。だから、お子さんに「将来英語を使える人間になってほしい」と思われるのであれば、まず何を置いても「国語力」を鍛える必要があります。よく「英語の長文が読めなくて…」というご相談をいただくのですが、じゃあそれが日本語で出題されたとして、どれだけの生徒が読みこなせるのか、ということですね。

今、とにかく“英語4技能”が強調されていますけれども、個人的には「スピーキング力」ってそれほど重要視してはおりません。もちろん、「それでも子どもには英語が話せるようになってほしい」というニーズをお持ちの保護者の方も中にはおられると思います。そういう方には、例えば僕のYouTube(キムタツチャンネル)で、新中1のまだスペルが書けないお子さん向けの英単語テストのやり方などを公開しています。そこでご紹介しているように、「口頭で即座に英語⇔日本語の単語やセンテンスの変換をする」練習をされていくと、英会話力は爆上がりしていきますよ、ということです。

ただ実際はそれよりも、まず人の話を聞けて、メールのやり取りなどで読み書きができるほうが、よっぽど大事です。特に、これからAIと共存していく時代にあって、全ての土台が「読解力」にあるということ、それは国語も英語も変わりません。灘校でも、私が過去に読んで「これは」と思った推薦図書を生徒に読んでもらって、簡単な感想を書いてもらう取り組みを長いこと行ってきました。英語力のアップにも、一定の効果はあったと思いますよ。

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