“学年の変わり目”はチャンス
子どもたちは、もうすぐ新学年への進級・進学を迎えます。“学年の変わり目”は心機一転、新たな目標を立てて一歩踏み出すチャンス。より良いスタートダッシュを決めるためには、事前の心構えと準備が必要です。ここからの時期を新学年までの「助走期間」ととらえ、日々の学習を充実させてほしいと思います。
新中1は特に注意!
進級・進学にあたっては、それぞれの学年において注意すべき点がありますが、最も気を付けたいのが「新中学1年生」。小学校生活と中学校生活では異なる点がいくつもあるため、進学した直後に環境の変化に対応できず、さまざまな問題が生じるケースがあります。“中1ギャップ”と呼ばれるこの壁は、誰もが直面する可能性があると言えるでしょう。
その一つが、「生活面でのつまずき」です。中学校に進学すると、一日の生活リズムが変わります。学校では授業時間数が増え、帰宅する時間も遅くなります。さらには、部活動が始まると時間のやりくりが大変になり、体力的にも精神的にも負担を感じる子が出てきます。
もう一つが、「学習面でのつまずき」です。中学校の勉強は、小学校に比べて難度やスピードが一気に上がります。評価方法も、今までの「だいたいこのぐらい」という曖昧な感じから、点数や順位などで「明確な位置づけ」が示されます。最初のテスト結果が初めての成績になるため、まさしくスタートが勝負だと言えるでしょう。
好スタートを切るために
新学年のスタートを成功させるためには、「今から少しでも助走をつけておく」という心構えと準備が大切です。新中学1年生に関わらず、次の点を意識してみましょう。
①自分の「苦手」と向き合う
現学年で習った内容に「抜け」がある子は、新学年でもつまずきやすくなります。3月から春休みにかけては、苦手な教科や単元を復習するチャンス。今年度のテストや模試の間違いを見直し、理解と定着を深める学習に取り組める時期です。4月なれば、新学年の教科書を手にして、新しい学習内容がスタートします。その時に、「よし!やってやろう」と前向きな気持ちでいるためにも、今から少しずつでも過去の苦手を克服しておきましょう。
②勉強のやり方を見直す
テストの結果は、大きく言えば「正しい勉強法を知っているか」「しっかり取り組んだか」という2点で決まります。学年の変わり目は、自分が今までやってきた勉強を見直す良い機会。ここで「正しい勉強法」を知ることができれば、新学年から具体的な行動に移せます。先生や友人に聞いてみたり、成功例を参考にしたり(本やWEB、YouTubeなどの動画サイト、SNS等も保護者と相談しながら上手に使えばOK)など、自発的にいろいろ研究してみましょう。
③生活リズムを整える
新学年で良いスタートを切るためには、生活リズム(習慣)を整えることも大事です。特に春休みは、夜更かし・遅起きなど、生活がルーズになりがち。朝からしっかり活動できるようリズムを整えましょう。そして意識したいのが、一日の中に勉強時間を必ず組む込むこと。学習習慣が身についていれば、予習・復習が自主的にできるようになり、新学年での勉強もスムーズにスタートを切ることができます。
④できるだけ情報を取り入れる
「〇年生になったら、どう変わるのかな?」「勉強や部活は大変になる?」そんな疑問を持ったら、まずは身近にいる学校の先輩に聞いてみましょう。特に、環境ががらっと変わる中学1年生は、自分の進学する中学校について、事前に情報をキャッチしておきたいもの。お兄さん・お姉さんがいる家庭はタイムリーな情報を持っているので、保護者の方も交えてぜひ聞いてみるとよいでしょう。
まとめ
前の学年で「勉強ができる」と言われていた子が、次の学年でもそのまま成績優秀とは限りません。「いつからでも成績は伸びる」、多くの先輩たちがそのことを証明しています。新学年で最高のスタートが切れるよう応援しています!
Adviser
清水由香利(佐鳴予備校教師)