最近、小学生や中学生の間で英語検定試験を受ける人が増えています。これは、小学校での英語が必修化されたことや、大学入試に民間英語検定が導入される予定だったことが背景にあります。「英語は受験に必要だ」と考える保護者が増えていることから、あらためて検定試験の意義が見直されています。
「英検®」は国内で最大規模の検定試験。
グローバル基準にも対応
私たち親世代にとっては、英語の資格試験と言えば「英検®」が主流でした。今では「TOEIC」「GTEC」「ケンブリッジ英検」などさまざまな英語検定がありますが、子どもにはどれを薦めたらよいでしょうか?
子ども向けの英語検定試験は確かに増えています。それぞれに特徴があるため、お子さんの目的やレベルに応じて選ぶことが大切です。
その中でも「英検®」は、英語力を総合的に評価できるなどさまざまな観点から、現代の教育においても価値があるとされています。
英検®(実用英語技能検定)は、国内で最大規模となる英語検定試験です。文部科学省が後援しており、年間の受験者は、小学生から社会人まで450万人を超え(※2023年度実施分)、基礎的な英語力を体系的に評価する試験として、日本で広く認知されています。特に、英語における4つの技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)をバランスよく測ることで「総合的な英語能力を証明できる」という信頼性の高さから、高校・大学入試での優遇措置や単位認定などで広く活用されています。
英検®の結果は「合否」のみに限ると思われがちですが、その成績表には「英検®CSEスコア」も表記されています。これは、ユニバーサルなスコア尺度であるCSE(Common Scale for English) を英検®の各級で表記したもので、国際標準規格のCEFR(セファール)にも対応しています。各資格・検定試験とCEFRとの対照を示した【図1】を見ると、英検®のスコア範囲は、A1からC1までの広いレベルをカバーしており、他の英語外部検定試験と同等の厳格さで評価されていることがわかります。自身の英語力をグローバル基準で客観的に評価できる点からも、多くの学習者にとって有用な選択肢であると言えるでしょう。
2025年より、英検®は「準2級プラス」が新設されます。その他、各検定試験におきまして、作成時より修正・変更がある場合があります。詳しくは各実施団体ホームページをご確認ください。
大学入試では、9割の受験生に選ばれている
英検®は「◯級に合格」だけではなく、国際的な規準で英語力を測ることができるんですね。やっぱり大学入試までに取得しておいたほうがよいのでしょうか?
現代社会では、英語力は非常に重要なスキルとなっており、多くの大学が検定資格を持つ受験生を優遇する傾向が強まっています。特に「英検®」は、受験生の英語力を信頼できる基準で判断できるとして、多くの大学で利用されています。目標とする級を設定し、取得しておくと良いでしょう。
2024年度入試では、462校の大学が英語外部検定試験を利用しており、これは国公立私立大学全体の60.6%にあたります。利用する大学の割合は6割を超え、その数は増加しています。さらに、実際に受験生が利用した外部検定のうち、90.0%が英検®でした【図2】。このことから、英検®は受験生たちにとって最も身近で取り組みやすい検定試験であることがわかります。
大学受験における英検®取得のメリットとしては、「出願資格条件のクリア」「受験免除」「得点換算や加点」などがあります。一般的に英検®準2級以上が有利とされていますが、2級・準1級を取得しておくと、さらに多くの大学で優遇措置を受けることができます。特にグローバルな視点を持つ大学では高く評価され、推薦入試やAO入試で有利に働くこともあります。大学によって優遇内容は異なりますが、目標に合わせて英検®を取得することは有効であると言えるでしょう。
「目標が持てる」「成果が見える」。
だから英検®は取り組みやすい!
英検®合格を目指して頑張ることには、たくさんのメリットがありそうですね!
はい。小学生や中学生が英検®を取得することには、多くの利点があります。英語力の向上はもちろん、試験を通じて得られる経験や知識は、将来に大いに役立つでしょう。以下にその具体例を紹介します。
▍ 目標設定でステップアップ
英検®は学習レベルに応じて7つの級が設定されています。(※2024年現在)細かいグレード分けにより、一つ一つ上の級を目指してステップアップすることで、自分の英語レベルに合わせた学習目標を設定しやすくなります。学校の勉強内容と重なる部分も多く、総合的な英語力が鍛えられるため、自信をもってテストや模試に取り組むことができます。
▍ モチベーションの向上
英検®は単なる試験ではなく、学習者のモチベーションを高めるツールとしても機能します。目標を設定し、それに向かって努力する過程で得られる達成感は、学習意欲を持続させる大きな要因となります。「〇級に合格できた!」という喜びが自分の成長を実感させ、「もっと上のレベルに挑戦したい」という意欲を高めるでしょう。
▍ 学習習慣が身につく
英検®の試験は年に3回実施されますが、「いつまでに〇級に合格する」という具体的な目標があると、それに向かって努力する動機が生まれます。目標が明確であるほど、達成に向けた計画を立てやすくなり、日々の学習に対する意欲も高まります。計画的に学習する習慣が身につくことで、英語力だけでなく自己管理能力も養うことができます。
英検®は子どもたちにとって英語の実力を測る良い機会です。お子様の将来を見据え、その取得をサポートすることは、非常に価値のある選択肢となるでしょう。子どもたちが目標達成に向けて頑張る姿を、温かく見守り、サポートしてあげてください。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
▼英検®合格者の声(佐鳴予備校ホームページより)
https://www.sanaru-net.com/info/eiken/