親の言葉が子どもに影響を与える
では、子どもを育てる親御さんについてはどうなのでしょうか?
複数の親を対象とした調査を見ても、「自己肯定感が子どもに与える影響まで知っている」という親は約30%、子どもの自己肯定感を高めるための取り組みを「意識して行っていることがある」という親は半数以下にとどまりました。実際に「自己肯定感」という言葉を知っていても、子どもにどんな影響があるか、どう育んでいったらいいかわからないという親御さんも多いようです。
「親の言葉」は、子どもの自己肯定感に強い影響を与えます。日頃から無意識に使ってしまいがちなのが、「どうして○○できないの?」「まだ○○やってないの?」「みんなに置いていかれちゃうよ」「先生に怒られちゃうよ」などといったネガティブな表現。親としては、子どもが学校で困らないようにと心配する気持ちからかけてしまう言葉ですが、子どもはこのようなネガティブな言葉をかけ続けられることで、「私はできない」という思いが強くなり、自己肯定感が低下してしまいます。
子どもの自信を引き出すには?家庭でできる心がけ
子どもの自己肯定感を高めるために、親ができる対策は、親から子どもへ「ほめる」言葉をかけてあげることです。これまでわざわざ口に出していなかったようなことも、言葉にしてほめてあげるのが効果的です。
例えば、日常生活の中で頑張ったことやできるようになったこと、成長したことを、親子で一緒に再確認する機会を設けてあげることです。子どもは自分自身の成長を感じることが自信となり、自己肯定感の向上につながります。 特に、身体が大きく成長したこと、靴や洋服のサイズが変わったことなどは、目に見える成長であるため実感しやすいと言えるでしょう。
また、小学校に入学してからは、子どもはテストや競争など「できる・できない」で評価される機会が増えていきます。そこでは、ありのままの自分らしさや、自分の良さを見てもらえる機会は減っていきます。子どもの存在そのものを肯定するような言葉がけも意識的にしてあげる心がけが大切です。「あなたがいてくれてうれしい」「あなたのことが大好き」「あなたはパパとママの宝物」など、その子の存在を無条件に肯定する言葉は、子どもの自己肯定感を向上させるのにとても効果があります。