「自己肯定感」が子どもの人生を左右する
「思いやりのある子に育ってほしい」「物事を前向きに乗り越えられるようになってほしい」「自信を持って、他人と比較することなく、幸せな毎日を送ってほしい」。そんな思いを抱く親御さんは多いと思います。
そのカギとなるのが「自己肯定感」にあります。自己肯定感とは、自らの価値や存在意義を肯定的に認められる感情のこと。自己肯定感が高い子は自信を持つことができ、いろいろな物事に対するやる気や積極性、他人を思いやる気持ちにもつながります。
一方、自己肯定感が低い子は、成功よりも失敗した体験を強く意識し、自分を否定的にとらえる傾向にあると言われています。自らの感情がコントロールできずに情緒不安定で、自分や他人を信頼することができないため、協調性がなく、あきらめやすいことが特徴として挙げられます。
日本は問題あり!? 自信を持てない子どもたち
では実際に、子どもたちの自己肯定感はどうなのでしょうか?内閣府が発表した調査では「日本は先進諸国に比べて自己肯定感が低い」という結果が出ています(下図)。これを受け、国としてもその対応策を講じることが急務とされています。 ※ほめ写プロジェクト資料より/我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度・内閣府)n=各国1,000
また、ほめ写プロジェクトが実施した意識調査から、子どもの自己肯定感は、小学校低学年から低下する傾向にあることもわかっています。
幼児期の子どもは、まだ自分自身を評価することができませんが、小学校に入学する頃から、自分の能力や性格を他者と比較して評価するようになります。人と比べて「走るのが遅い」「字が上手に書けない」など、成長とともに自分自身と友だちとを比較するようになっていきます。その結果、自信をなくしたり劣等感を抱いたりするようになり、これが自己肯定感の低下につながる可能性があると考えられます。