未来を生きる子どもたちに学びのチャンスを

──親子で「富士下山」を体験される方も多いそうですね。どのようなツアーが人気なのでしょうか?

子どもたちに人気なのは、「溶岩洞窟」ツアーや「青木ヶ原樹海」ツアーです。富士山という特別な場所で冒険心をくすぐる体験を楽しみながら、本物の自然に触れられるのが魅力です。夏休みや春休みには、たくさんの親子連れが参加します。

子どもたちは学校の理科の授業で「火山岩」「深成岩」などの「火成岩」について学んでいますが、教科書の写真でしか見たことのない岩石に実際に触れる機会はめったにありません。たとえば、1707年の噴火でできた「宝永火口」の周辺にある多くの石は、地中から噴き出したマグマが急速に冷え固まったものですが、中には噴火の際に深い地層から連れ出された太古の石も見つかります。足元にある石が、はるか数十万年前にできたものだと知ると、子どもたちは驚いて目を輝かせます。私たちのツアーが、子どもたちの知識欲や探究心を刺激するきっかけになれば嬉しいですね。

──子どもたちや保護者の方に向けて、メッセージをお願いします。

近年、環境や気象の異常な変化を感じている方も多いでしょう。地球上で急速に何かが起きているのは明らかです。アメリカの作家レイチェル・カーソンは、1965年の著書『センス・オブ・ワンダー』で「自然に触れて深く感動する力」の重要性を説き、子どもたちの感性教育の必要性を強調しました。しかし現代では、環境への負荷が急速に増大しており、「感じる」だけでは不十分になっています。今こそ、自然についてもっと「知ること・理解すること」が求められています。

子どもたちには、まず「自然の変化を感じる力」を身につけてほしいと思います。日常生活の中で自然をよく観察し、その変化を気に留めて考えてみる感覚を持ってください。さらに、「変化を感じる人」「気付く人」になるためには、やはり勉強することが大切です。身近にいる親御さんは、彼らに学びの場やチャンスを与えることができます。親子で外に出て豊かな自然に触れたり、さまざまな体験イベントに参加したりするのも良いでしょう。たとえば、自然アロマオイルの講習会に参加することでも、森林資源の有効活用や森林保護について学ぶことができます。いろいろなアプローチを試してみてほしいですね。

世界中で進行している自然破壊や環境問題は、今の子どもたちが大人になる頃には、取り返しのつかない事態になるかもしれません。そうならないように、子どもの視野を広げ、意識を変えるきっかけを作るのは大人の役目です。目の前にある問題を一緒に見つめ、教育のチャンスを作り出せるよう、私も尽力したいと思います。

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発見と驚きがいっぱい!富士下山の魅力を紹介

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