「失敗させない子育て」をしていませんか?

『トライ&エラー』の機会を大切に。
困難に負けない「挑戦力」を育てましょう。

チャレンジに消極的な若者たち

情報化社会を生きる現代の若者たちは、手軽に「成功者の体験談」を見聞きできるようになっています。「成功ありきの行動や努力」ばかりに目が向きがちになると、負けることや間違えることに恐怖心を抱くようになり、「結果はどうであれ、挑戦することに意味がある」と考えることが難しくなります。

受験も同じで、今の子どもたちの多くは「志望校」というものがありません。特に目標もなく勉強していって、受験する時期になると、自分の学力レベルに合った「合格できそうな学校」を選ぶ。そんな子どもが多いように思います。ともすると、保護者が「うちの子はこのくらいのレベルだから」「この学校は受からないから」と決めつけて、最初から積極的なチャレンジを望まないケースもあります。

転んだ経験のない子が社会に出たら?

子どもが自立するためには、成長過程でいくつかの試練に立ち向かう経験をし、失敗を繰り返す中で上手な転び方を学ぶ必要があります。失敗して少しばかり痛い思いをしても、「成功するまで再び挑戦すればよい」ということを知ることにより、「もっと大きなことにトライしてみよう」と思える人間に成長します。

それなのに、周囲の大人が「子どもが傷つくから」「子どもが可哀そうだから」という理由で困難を避けるような育て方をすれば、子どもは思い切ったチャレンジができなくなってしまいます。つまずいて転ぶのも本人なら、起き上がるの本人。精神的にも肉体的にも転んだ経験のない子が、厳しい競争社会に出ていきなり倒されたら、再び立ち上がることは難しくなるでしょう。

「失敗から学ぶ」チャンスを子どもたちに

私は多くの受験生たちを指導していますが、よく「『行ける学校』ではなく『行きたい学校』を目指そう!」という話をします。合格できるか、成功できるかは最後までわかりませんが、「目標に向かって努力を継続できた」「あきらめずに戦い抜いた」という経験そのものが、その後の人生にとって大きな財産となるからです。たとえ結果が残念だったとしても、その失敗と真剣に向き合うことで、「もっと努力して、次こそ絶対に成功しよう!」と前を向けるようになります。果敢に挑戦したからこそ、悔しさを飛躍のバネにして成長することができるのです。

失敗すること自体はけっして悪いことではありません。失敗を恐れて行動しないこと、さらには失敗して起き上がれないようになってしまうことが問題です。そのためにも、大人は子どもから『トライ&エラー(失敗から学ばせる)』の大事な機会を奪ってはなりません。何度失敗しても立ち上がれる「挑戦力」を身につけさせるため、子どもたちのチャレンジを心から応援してあげてほしいと思います。

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